無響室(自由音場)
床・壁・天井などからの反射波の影響を全く受けない音場のことを、自由音場といいます。例えば上空などは基本的に音を反射する物体が存在しないため、自由音場であると考えられます。
建築的に自由音場を近似した部屋が無響室となります。反射波の影響を無視できるため、スピーカーや工業製品などの音源の指向特性の測定や、心理評価実験などに用いられます。
pic.1 無響室 |
無響室では床・壁・天井の6面全てに吸音材を設置しますが、その内の1面(一般的には床面)を反射面とした部屋を半無響室と呼びます。工業製品は床面に置いた状態で使用する製品が多い為、それらの製品の測定をする場合には、半無響室が使用されます。また、無響室の足場は反射の影響を抑えるためメッシュ状となり、重量物を搬入することが難しくなります。半無響室では資材の運搬が容易というメリットもあります。
pic.2 半無響室 |
JIS Z 8732 音響-音圧法による騒音減の音響パワーレベルの測定方法 では無響室、もしくは半無響室での測定が定められており、無響室・半無響室の適正試験方法も定められています。弊社では無響室・半無響室の設計、施工から、適正試験の実施まで責任をもって行っております。