知識ページ
KNOWLEDGE
DETAIL

自由音場と拡散音場

室内音響
音を評価するための代表的な試験室として、無響室・残響室があります。 ここでは無響室・残響室の特徴をご紹介いたします。

無響室(自由音場)

床・壁・天井などからの反射波の影響を全く受けない音場のことを、自由音場といいます。例えば上空などは基本的に音を反射する物体が存在しないため、自由音場であると考えられます。

建築的に自由音場を近似した部屋が無響室となります。反射波の影響を無視できるため、スピーカーや工業製品などの音源の指向特性の測定や、心理評価実験などに用いられます。

04-01-1-1_anechoic.jpg
pic.1 無響室

無響室では床・壁・天井の6面全てに吸音材を設置しますが、その内の1面(一般的には床面)を反射面とした部屋を半無響室と呼びます。工業製品は床面に置いた状態で使用する製品が多い為、それらの製品の測定をする場合には、半無響室が使用されます。また、無響室の足場は反射の影響を抑えるためメッシュ状となり、重量物を搬入することが難しくなります。半無響室では資材の運搬が容易というメリットもあります。

04-01-1-2_semi-anechoic.jpg
pic.2 半無響室

JIS Z 8732 音響-音圧法による騒音減の音響パワーレベルの測定方法 では無響室、もしくは半無響室での測定が定められており、無響室・半無響室の適正試験方法も定められています。弊社では無響室・半無響室の設計、施工から、適正試験の実施まで責任をもって行っております。

残響室(拡散音場)

以下の条件を満たした音場を拡散音場と呼び、拡散音場が得られるように作られた部屋が残響室になります。

①音のエネルギーが,室全体で等しい

②室のどの点においても音の進行方向は等確率

04-01-2-1_reverberation.jpg
pic.3 残響室

拡散音場を実現するためには、室容積を大きくする必要があります。JIS A 1409『 残響室法吸音率の測定方法』では150 ㎥以上と規定されています。また直方体の残響室では音圧分布に偏りが発生しやすいため、不整五角形七面体の形状が採用されることが多くなっています。

残響室では、残響室法吸音率の測定(JIS A 1409)や、建築部材の空気音遮断性能測定(JIS A 1416)、音響パワーレベルの測定(JIS Z 8734)などが実施できます。

お問い合わせ

CONTACT

建築音響、騒音対策、電磁波シールド、道路・鉄道防音、騒音・音響・電磁波環境コンサルタントに関するお問い合わせは、
お電話またはメールフォームより受け付けております。
検討段階でも、まずはお気軽にお問い合わせください。