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デシベル

音とは

ある量と基準の量との比の対数をベル(Bel)といい、その数値を10倍したものを"deci Bel"略して「デシベル」といいます。(単位はdB)
音や振動を評価する場合、このデシベルが非常に多くの場面で使われています。例えば、工事現場などで「騒音 〇〇dB 振動 ○○dB」といった表記を目にすることもあると思いますが、このように音や振動を評価する場合はデシベルを用います。

色々なデシベル

人間の刺激量の増加に対する感覚量の増加は単純な比例関係とはなりません。実際には、感覚量の増加は、刺激量の対数に比例する「ウェーバー・フェヒナーの法則」にしたがって定められています。この法則の具体例としては、100円の商品が50円引きされた場合と、10,000円の商品が50円引きされた場合では、同じ50円引きでも”安くなった!”という感覚は違うはずです。音で言うと音圧が0.01 [Pa]から0.02 [Pa]へ変化した際に感じる増加量と、0.20 [Pa]から0.21 [Pa]に増加した際に感じる"音が大きくなった!"という感覚は異なります。
また、音圧の振幅を評価する際に扱う範囲は0.00002 [Pa]~2 [Pa]のように非常に広いため、そのままの数字を使って評価しようと思うと大変扱いづらいという欠点があります。この範囲をデシベルで表示すると0 [dB]~100 [dB]となるので、とてもスッキリしますよね。これら二つの理由から、音を評価する際には、ある量と基準値との比を対数表示することが一般的となります。下記に様々なデシベルを紹介します。(以降、logと記載される式の底は10であることを示します。)

〇音のレベル

音圧の振幅が$p$ [Pa]の時、音圧レベル$L_{p}$は式(1)で表すことができます。

\[ L_{p} = 10 \log \frac{p^2}{p_{0}^2} \tag{1} \]

ここで、$p_{0}$は基準となる振幅で2×10-5 [Pa]です。音圧レベルは音の大きさと関係があり、音圧レベルが大きくなると音が大きく聞こえます。

人間の耳の周波数に基づいて感度補正を行った音圧レベルを騒音レベル(A特性音圧レベル)といい、騒音レベル$L_{p_\rm{A}}$は式(2)で表すことができます。

\[ L_{p_\rm{A}} = 10 \log \frac{p_{\rm{A}}^2}{p_{0}^2} \tag{2} \]

〇振動のレベル

振動加速度$a$ [m/s2]のとき、振動加速度レベル$L_{va}$は式(3)で表すことができます。

\[ L_{va} = 10 \log \frac{a^2}{a_{0}^2} \tag{3} \]

ここで、$a_{0}$は基準となる振動加速度で10-5 [m/s2]です。※国際規格(ISO)では、基準振動加速度は10-6 [m/s2]となっており、注意が必要です。
音と同様に、振動レベルが大きいと大きな振動となります。

デシベルの計算

$L_{1} = 60$ [dB]、$L_{2} = 60$ [dB]の二つの音源があるとします。この二つの音源を同時に作動すると何デシベルになるでしょうか。
答えは、、、120 [dB]!

ではなく63 [dB]となります。なぜ?と思いますよね。その計算過程を以下に示します。

01-03-06.png

恐らく上の計算過程を見ても「う~ん、よくわからんなぁ。。。」と感じる人もいるかと思います。ですが、同じ大きさの音が二つあると、"3[dB]大きくなる"ということだけでも覚えていただけると嬉しいです。

また、二つの騒音レベルの差から概算で計算することも可能です。$L_{1} > L_{2}$の時、二つの音源のレベル差$\Delta L$を求め、この $\Delta L$により $L_{1}$の加算値$a$が求まります$\Delta L$と加算値$a$の関係は以下の表の通りです。

表-1 デシベル演算時の加算値
2つの音源のレベル差
$L_{1} - L_{2} = \Delta L ( L_{1} > L_{2} )$
0,1 2~4 5~9 10以上
$L_{1}$に加える増加量 $a$ 3 2 1 0
$L = L_{1} + a$

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