環境基準
環境基準には、①騒音に係る環境基準、②航空機騒音に係る環境基準、③新幹線鉄道騒音に係る環境基準の3つが定められています。いずれも「生活環境を保全し、人の健康の保護」を目的としています。
①騒音に係る環境基準
我が国では、快適な生活環境を保証するために達成すべき行政目標として、騒音に関する環境基準が定められております。この基準は、一般地域と道路に面する地域の環境基準に分けられていて、地域の類型に応じて昼間と夜間で基準値が定められております。昼間は室内において騒音が会話に影響しないように、夜間は騒音が睡眠に影響しないようにという理由で基準値が決められております。騒音に係る環境基準は表-2,3の通りです。
地域の類型 | 基準値 | |||
---|---|---|---|---|
昼間 | 夜間 | |||
AA(特に静穏を要する地域) | 50 | 40 | ||
AおよびB(住居の用途に供される地域) | 55 | 45 | ||
C(住居と併せて商業・工業等の用に供される地域) | 60 | 50 |
地域の類型 | 基準値 | |
---|---|---|
昼間 | 夜間 | |
A(2車線以上の道路に面する) | 60 | 55 |
B(2車線以上の道路に面する) C(車線を有する道路に面する) |
65 | 60 |
幹線道路に近接する空間 | 70 | 65 |
時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時まで、夜間を午後10時から翌朝6時までの間となっています。
道路に面する地域が一般地域と比べて基準値が高くなっているのは、道路交通騒音の影響を受けるため基準値を達成するのが難しいため地域の実情に合わせているというのが現状です。
②航空機に係る環境基準
航空機騒音に関しても、地域の類型によって基準値が定められており、基準値は表-4の通りとなります。
地域の類型 | 基準値 |
---|---|
Ⅰ(専ら住居の用途に供する地域) | 57 |
Ⅱ(Ⅰ以外の地域) | 62 |
基準値は次の方法により測定・評価した場合における値です。
1) 原則7日間連続で測定を行い、騒音レベルの最大値が暗騒音より10dB以上大きい航空機騒音については、単発騒音暴露レベルを計測
2) 測定点は当該地域の航空機騒音を代表すると認められる地点を選定する
3) 測定時期は、航空機騒音を代表すると認められる時期を選定する
4) 評価は以下の式で行い、午前0時から午後12時までの時間帯補正透過騒音レベルを算出し、全測定日のLdenにについて、式(2)によりエネルギー平均を求める
5) 騒音計の設定は、周波数特性はA特性、時定数はS(SLOW)を用いる
③新幹線鉄道騒音に係る環境基準
新幹線鉄道騒音に関しても、地域の類型によって基準値が定められており、基準値は表-4の通りとなります。
地域の類型 | 基準値 |
---|---|
Ⅰ(専ら住居の用途に供する地域) | 70 |
Ⅱ(Ⅰ以外の地域) | 75 |
基準値は次の方法により測定・評価した場合における値です。
1) 連続して通過する20台の列車の騒音を測定し、騒音レベルの最大値を列車ごとに求める。このうち、騒音レベルの大きさが上位半数のものをパワー平均する
2) 測定点は当該地域の新幹線鉄道騒音を代表すると認められる地点および新幹線鉄道騒音が問題となる地点を選定する
3) 測定時期は、新幹線鉄道騒音を代表すると認められる時期を選定する(列車速度が通常より遅い時期を避ける)
4) 評価は以下の式で行い、午前0時から午後12時までの時間帯補正透過騒音レベルを算出し、全測定日のLdenにについて、式(2)によりエネルギー平均を求める
5) 騒音計の設定は、周波数特性はA特性、時定数はS(SLOW)を用いる